『メンゲレと私』サニーフィルム・クラファン挑戦!感想

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映画『メンゲレと私』サニーフィルムがクラウドファンディングに挑戦。キックオフイベント大阪プレミア2023.10.6に行ってきました!映画を観た私の感想などもお伝えします。



映画『メンゲレと私』を配給したサニーフィルムとは。。

映画『メンゲレと私』は

「ホロコースト証言シリーズ3部作」の第3作目の完結作です。

配給会社であるサニーフィルムが

クラウドファンディングに挑戦し上映させて映画でした。

主演のダニエル・ハノッホや監督を日本に招き

キックオフイベントが開催されました。

サニーフィルムとはどのような配給会社なのでしょうか?

代表は有田浩介(ありた こうすけ)

国内外の映画祭に自らみ足を運び

上映されたドキュメンタリーを主にセレクトして

歴史・戦争・人権・倫理・人権・移民・難民問題を

テーマとして作品を多数配給している会社です。

代表の有田浩介はアメリカヒューストン州生まれ。

16歳で日本に帰国。

大学卒業後は一般企業に就職。

その後、

メディア世界に足を踏み入れ

気づけば自らが配給会社を立ち上げていたそうです(2018年)。

38歳で会社創設。

わずか5年でクラウドファンディングして今作の上映も達成しています。

周りを巻き込むちからがある方なんでしょうか。

会社と言っても有田浩介が

フリーランスでひとりで

DVD化・テレビ化・デジタルプラットフォームへいれる。

法務業務、営業業務、宣伝業務、経理業務なども

行っているオールマイティープレイヤー。

16歳までアメリカ在住だったので

世界共通語である英語には不自由なく操れたんですね。

プレミア上映会の舞台挨拶で挨拶されていました。

いでたちは髪の毛は両サイド刈り上げ。

後頭部は馬のたて髪のようにして立ち上げて

ひとつ結えにしているモヒガン刈り。

劇場入口前のフロアで

モヒガン刈りの変な人が一生懸命、カメラをパチパチしてるなあ。。

と思っていたらその方が舞台挨拶した有田浩介だったので

少し驚きというか。。なるほど。。ね。という感じでした。

俗にいう一般の会社役員。とは外見が真逆な方でした。

電車に乗ってたら一目でわかり、

“モヒガン、有田浩介ここにいます!!”

のメッセージを全身でアピールしながら

座席に座ってスマホ観てる(スマホが商売道具だと思うので)

ような感じの方でした。(私の私的感想ですが。)

上映会当日も

イスラエル在住のダニエルの孫娘と

上映劇場をオンライン中継する時も

PCでサッサとこなしてスクリーンに映し出し

すべてが手慣れた作業。

彼女たちと英語で会話し通訳し

と忙しくされていました。

すべて一人でしてる。

みたいな感じでしたが

その後ろ姿に一生懸命さが出ていて、

劇場にいる私たちになんとかして

“今日のイベントを通して

何かしらのメッセージを受け取って

帰ってほしいんだ!”

という熱い思いを感じました。

ただの配給会社代表。とはちがう人物だな。という感想でした。

 

サニーフィルム 代表・有田浩介

1979年生まれ。米テキサス州ヒューストン出身。映画配給会社サニーフィルム代表。レコード会社のプロモーターを経て2011年から映画パブリシストとして活動。2016年から個人で映画配給を始め2018年に株式会社サニーフィルムを設立。歴史、戦争、人権、倫理、移民・難民問題、他者性をテーマとした作品を多く手がける。ロゴは、2006年から2014まで飼っていた愛犬のサニー。2006年に共に現在住む神奈川県の葉山に移住する。     出典:サニーフィルム公式



サニーフィルムが挑戦したクラウドファンディングの内容

「ホロコースト証言シリーズ」の第3作目であり完結作でもある本作。

しかしながら2018年第1『ゲッベルスと私』

2作目『ユダヤ人の私』を上映した岩波ホールの閉鎖に伴い

日本での上映館を失うことに。

こで奮起したのはサニーフィルムの有田浩介と

映画ライターの矢本理子(元岩波ホール宣伝部)

2人がタックルしてクラウドファンディングに挑戦!



クラウドファンディングの内容

目標:

  • 第3弾としてシリーズ完結作となる
  • 『メンゲレと私』を12月に劇場公開する!
  • 映画の出演者でホロコースト生存者の
  • ダニエル・ハノッホ氏(91歳)をイスラエルから招き、
  • 自らの戦争体験を直接語れる場を作る!を実現させる!

でした。

期間は2023.7.15~2023.9.30(77日間)

目標金額6,000,000円を掲げで実施し結果は

支援者数 413人

支援総額3,674,964円

を受けてみごと

シリーズ完結作『メンゲレと私』の上演を達成されました!

この映画にかける意気込みと

サニーフィルムの有田浩介の

周りを巻き込む巻き込み力には驚きました。

わずか二か月半足らずで400人以上の支援者を募り、

目標額には至らずでしたが約370万円を達成したのですからね。

これは凄い力ですね。

お二人の今までの功績と人脈が成しえた偉業!

素晴らしいですね。



映画『メンゲレと私』の概要

映画『メンゲレと私』の作品と出会いました。

メンゲレと聞くと

あのアウシュビッツ強制収容内で

人体実験などの非人道的行為を繰り返した医師として有名であったので

どんなのか興味があったので観てきました。

まずは映画の概要についてざっくりと。。。

映画『メンゲレと私』

オーストリア・ウィーンにある国際的な製作プロダクション、

ブラックボックス・フィルムの

クリスティアン・クレーネス監督

フロリアン・バイゲンザマー監督による

ドキュメンタリーの3部作の第3作目であり完結作です。

この3作品を「ホロコースト証言シリーズ」と銘打ち、

3作品を通して第二次世界大戦の体験者が減っていく中で、

戦争、ホロコーストの証言を記録として映像に残しています。

3作品ともに1作品に1人の証言者が登場して、

インタビュー形式で当時の記憶を赤裸々に証言しています。

インタビューの合間にアーカイブ映像が挟まれ、

当時のドイツやヨーロッパ各国の状況を理解する構成になっています。

今作の主演者であるダニエル・ハノッホ

映画の中で自らの体験を語っていましたが

その中で ”オーストラリアがした行為は許さない。”

と何回か言及していました。

この「ホロコースト証言シリーズ」を企画・製作したのが

オーストリアを拠点としている会社だったのは感慨深いものを感じますね。

映画中でインタビューの合間に説明文のように

当時のアーカイブ映像が流れるのですが

その映像はすごくローカルなもので

日本では見たことのないようなものでそれだけでも価値ありでした。



「ホロコースト証言シリーズ」

 

この映画が第3作目という含まれている

「ホロコースト証言シリーズ」

とはどういうものか見てみましょう。。



第1作目『ゲッベルスと私』2018年6月16日 

——何も知らなかった。私に罪はない。

 
若きポムゼルは、

第二次世界大戦中、

1942 年から終戦までの3年間、

ナチスの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書として働き、

近代における最も冷酷な戦争犯罪者のそばにいた人物。

本作は彼女が終戦から69 年の沈黙を破って

当時を語った貴重なドキュメント。


第2作品目『ユダヤ人の私』2021年11月20日 

——私は見た。運命が変わる瞬間を。

ユダヤ人のマルコ・ファインゴルト

1939年に逮捕され、

アウシュヴィッツを含む4つの強制収容所に収容される。

終戦後は、10万人以上のユダヤ人難民をパレスチナへ逃がし、

ナチ・ドイツの罪、そして加担者であった自国オーストリアの責任を、

70年以上訴え続けた。

本作はマルコの数奇な人生を通じ、

反ユダヤ主義がどのように広まりホロコーストに繋がったかを映し出す

貴重なドキュメンタリー映画。


第3弾『メンゲレと私』2023年12月3日  

——私は覚えている。本物の地獄を。

リトアニア出身のユダヤ人、ダニエル・ハノッホは、

わずか9歳でゲットーに送られ、

その後、12歳でアウシュヴィッツ強制収容所に連行された。

金髪の美少年だったダニエルは、

“死の天使”の異名を持つ、非人道的な人体実験を繰り返した、

ヨーゼフ・メンゲレ医師の寵愛を受け特異な収容所生活を送る。

 

この3作品ともに内容はシリアスでナイーブなものです。

単に “○○の証言はこれだ!”では

済まされない内容かと思いますが

知ることと知らないことには大きな違いがあるので

一度は見る価値がある内容ではないかと思いました。



映画『メンゲレと私』を観た感想

まずはクラウドファンディング目標達成おめでとうございます!

のおかげで私もこの映画を観る一人となったので感慨深いものを感じます。

ありがとうございました。

私が行った先行上映会当日は

プレミアとして出演者で

ホロコースト生存者のダニエル・ハノッホ氏(91歳)を

イスラエルから招き、

自らの戦争体験を直接聞けるはずでしたが

なにやら数ヶ月前にイスラエルの自宅階段から転落。

負傷のため本人の来日はできなかったのですが

ダニエルの孫娘2人とオンラインで繋がり

イスラエルー日本を劇場スクリーンを通して

ですが質疑応答などできました。

劇場には

ホロコースト証言シリーズの製作者クリスティアン監督と

フロリアン監督が舞台挨拶されました。

その後、質疑応答。

上映後約1時間におよび2人の監督からの撮影に至った経緯などが語られ、

イスラエルからはダニエル孫娘からのメッセージも

リアルタイムで聞くことができました。

その後、劇場の来客者が次々と質問をされていましたね。

ちょうど、

ウクライナ紛争やイスラエル対ハマスの交戦などで

熱く注目されている昨今なので

イスラエルのユダヤ人から直接話を聞ける機会はめったとなく

とても興味深かったです。

戦後の日本では

元兵隊が戦争体験を自分から話たりすることは

なかったと聞きますが

ダニエル孫娘によると

イスラエルではアウシュビッツの生存者は国民の英雄であり

体験話聞きに自宅にまで来る人もいるそうです。

ダニエル自身も

アウシュビッツへのメモリアルツアーを企画して

現地で公演をしたりされていたそうです。

ダニエル個人の昔話ではなく

ダニエル一家全員がダニエルの証言を支え、

彼の体験談を伝えることが

ファミリーのミッションになっている。

と話されていたことが印象的でした。

映画の中で語っている高齢のダニエルの顔は

険しくもなく、

悲しげでもなく、

おどおどしているようでもなく、

凛としているようでもなく、

その目も鋭いようでもなく、

眼力があるようでもなく、

言わば、淡々と話している感じでした。

人格形成で大切な9歳~12歳の多感な時期に

親兄弟から引き裂かれて

しかもアウシュビッツ強制収容内の非人道的行為の場面、

人々がガス室に送りこまれて行く姿を見ていたダニエル。

彼はそのガス室に向かう人達の荷物整理役をさせられていたというので

近距離で同民族の人たちが

次々と恐怖に怯えながら

ガス室に送られて行く姿を見送り、

自分はその人達が将来(生きて)使うためにとアウシュビッツまで

大事に持ってきた所持品の手荷物を仕分けていたのです。

終戦間際には“死の行進“も歩いたダニエル。

普通、そのような経験をした人なら

精神が不安となって

落ち着きがなくおどおどしたり、

意味不明な言葉を発したり、

自虐行為に陥ったり。

反対に

何が起きても物怖じしない尋常を超えた強さが全身から出ていたり、

或いは生き地獄を見たその眼は人の心の奥底まで見通しているような眼力や

鋭さも持ち合わせていてもおかしくないように思うのですが

スクリーンに映し出されたダニエルは

そうではなく、

淡々と自分が観たこと、

聞いたこと、

感じたことを話す一人の老人の姿でした。

フラッシュバックに陥ることなく淡々と話していました。

アウシュビッツ強制収容内の非人道的行為云々が彼の表情を作ったのでしょうか。。

それとも彼は個人的にすべての過去を受け入れ

赦した人。

となったのでしょうか。。。?

私には何がなんだかわからないのですが、

もし、この映画を観れる機会があればおススメの作品です。

劇場で公開されるドキュメンタリー映画の数は

他国と比べても日本は多いそうですが

サニーフィルム有田浩介が今後、

どんな興味ある作品を配給してくれるのかも注目したいですね

出展:『メンゲレと私』公式サイト


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