『クロッシング』脱北者の現状・脱北ルートと失敗したらどうなるの?

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ドキュメンタリー映画

映画『クロッシング』北朝鮮を脱北した人たちの証言をもとに作成した脱北映画です。

脱北者の現状とは、脱北ルートや脱北を失敗したらどうなるのか?

脱北のブローカーたちとは?支援者たちについてご紹介します。


映画『クロッシング』

北朝鮮の炭鉱町に住む元サッカー選手のヨンスは、

妻ヨンハと11歳の息子ジュニとともに、

貧しいながらも幸せな日々を送っていました。

しかし、ヨンハが肺結核に倒れ、

夫のヨンスは妻ヨンハの治療薬を手に入れるため中国へ向かいます。

脱北。

決死の覚悟で国境を越えたヨンスは、

必死に働いて薬を手に入れますが、

惜しくも北朝鮮では夫の帰りを待ちながら妻ヨンスは亡くなってしまいます。

父は脱北し母も病死してしまう。

一人残されたのは少年ジュニ。

誰も頼るものもない北朝鮮でひとりぼっちの孤児となってしまったジュニ。

ジュニもまた父を慕って、

父との再会を信じて国境をめざすことに。。

ジュニは父と再会できるのでしょうか?

一人で生きていかなければならないこどもたちが北朝鮮では

どれほどたくさんいるのでしょうか。

脱北はちょっとの勇気があれば誰でもなしえることではない。

脱北者を待ち受けるのは容赦のない貧しさと苦しみの現実。

北朝鮮が抱えている貧しさ。がどれほど深いものであるのか

人々が命の危険を冒してまでなぜ、脱北をせざる負えのかが強烈な描写で

リアルに映し出されています。

けれどもどんなに貧しさがあったとしても

親子愛は深く断ち切れないものであることを訴えています。

北朝鮮という国に生まれたことを誰も変えることができません。

貧しさと病。

貧しくても断ち切ることのできない愛。

情勢のしわよせはいつも弱者に押し寄せて行くものだと痛感させられます。

多くの脱北者の証言をもとに作られた作品です。

キム・テギュン監督

劇場公開日:2010年4月17日

 

 

脱北者の彼らの現状はどういったものになっているのでしょうか?

脱北ルートや脱北を失敗した人たちがどうなるのか見ていきます。



脱北者の現状とはどういったものでしょうか?

脱北者の現状 脱北ルート

 

主なルートは、陸続きで逃れる中華人民共和国への脱出が多いようです。

日本も隣国ですが北朝鮮との間には日本海があり

日本海の海は荒波で容易に渡れる海ではないのでやはり陸続きで逃れられる道の

選択しかなのかもしれません。

中国と北朝鮮の国境には国境警備兵と呼ばれる兵士がかなりの数で配置されています。

ブローカーたちの存在でもわかるように

兵士自身も同じ北朝鮮の貧しさの中で生活しており経済的にも厳しいため

兵士自身が自らブローカーたちにわいろを求めて脱出者を逃がす者がいます。

いわば脱北自体が北朝鮮の一部の兵士たちの闇商売となっているのが現状です。

また、兵士たちの隙(すき)を狙って脱出する者もいます。

兵士たちは脱北者やブローカーたちから金品や物品を取り上げるので

自らはなんとか食いつなぐことができているのかもしれません。。

主な脱北のルートは北朝鮮の国境近くにあり、川幅が狭く、

冬季に凍結して徒歩で渡れると言われている豆満江を渡り、

中国にある朝鮮族の洲(延辺朝鮮族自治州)に潜み

時期を見てさらに南下して韓国へ入ります

近年は国境付近での中国側の摘発が厳しくなっており、

中国には長く潜伏せずに通過し、

東南アジア経由(ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマー)や

カザフスタン経由で第三国に脱北する人が増えています。

以前は中国で在留しながら時期を見計らう余裕があったのですが

最近では中国の政策により脱北者は以前よりも長い道のりを通らなければ

脱北できない状況になっています。

正規で行う旅行でもこれだけ複数の国を移動するだけでも大変な時間が必要と思われますが

脱北者はいわば着の身着のままの状況で食べるものもなく、

身の安全の保障もなく今日あっても明日はないかも知れない命をかけての旅路ですから

その苦しみはいかばかりでしょうか。。

しかもこれだけの距離の移動となりますので

一人当たりの費用も大きくなり以前より脱北者の数が激変しているのが現状です。

脱北には勇気だけではなくお金がなければできません。

運よく脱北できる場合とできなかった場合、すなわち脱北に失敗することもあります。

では、もしも、脱北を失敗するとどうなってしまうのでしょうか?



脱北者の現状 脱北を失敗するとどうなるのでしょうか?

 

決死な思いで祖国と逃れた人たち。

彼らがまず潜伏すると言われているのが中国。

その中国当局は北朝鮮との外交関係を重視し協定を結んでいます。

中国としても脱北者を庇護(ひご)すると

北朝鮮との関係が損なわれる危険性がありますので

脱北者を発見次第、

不法入国者として北朝鮮に送還します。

ですので中国似逃れた脱北者は中国内でも潜伏生活を送り続けなければなりません。

潜伏生活とは

その社会の中では透明人間のような存在になることを意味します。

社会保障は一切受けることができませんし、

全うな職業に就くのも厳しい現状です。

戸籍がないので彼らは正規の結婚することもできませんし

教育を受けることもできません。

いわば正当な社会生活を送ることができないということを意味します。

また、

摘発され、

北朝鮮に送り返されると、

初犯の場合は労働や思想改造などの処置を受け、

再犯では死刑となる場合もあると言われていますので

一旦、

脱北者となったものは

祖国北朝鮮にへ戻りたくてももう戻れないのです。

脱北者は前に進むしか道が残されていないのかもしれません。

 

脱北者の現状 脱北のブローカーとは?

 

では今まで行ったことのない道や国々をどのように

通過することができるのでしょうか?

そこには ブローカーと呼ばれている存在がいます。

彼らは金銭的な代償を受けて脱北者の逃亡を助けます

「南北通話」を仲介するのがブローカーと呼ばれている人たちです。

彼らは主に、

北朝鮮と隣接している地、

中国国籍を持つ北朝鮮人の人たちが多く住んでいる

中国・延辺朝鮮族自治州で脱北の手引きなどをしている中国人です。

一般的に彼らのことを中国人ブローカーと呼んでいます。

中国で暮らす同じ北朝鮮民族の人たちがブローカーとなっているようです。

ブローカーが様々な手段を使ってプリペイド式携帯電話を

北朝鮮国内の協力者に渡し

通話依頼があると

その協力者が相手の家に行き、

電波が届く国境沿いの町に連れ出す手はずになります。

ブローカーにお金を渡すのは各支援団体や家族たちと言われています。



脱北者の現状 脱北の支援者たち

 

脱北者を支援する団体は主に韓国、日本、西欧に複数あります。

代表的なもののひとつに北朝鮮難民救援基金です。

彼らは脱北者と接触し、

大使館や外国人学校への駆け込みを準備する一方、

その様子ビデオカメラで撮影し、

韓国や海外メディアに提供することが多いと言われています。

支援団体は無償で脱北者たちを支援しているようです。

しかし、

脱北するためにはブローカーに支払うお金や

脱北者の生活を支える生活費も必要と思われますが

その資金はどこから調達されているのでしょうか?

その多くは慈善団体からも援助や寄付によって賄われているようです。

しかし中国の公安当局はこの動きに警戒感を示し

中国内で活動する支援団体を次々と摘発しているのが現状です。


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