脱北する理由ビヨンド・ユートピア感想とあらすじ・脱北者とは?

スポンサーリンク
ドキュメンタリー映画 ドキュメンタリー映画

国を追われるのではなく自らの意思で国を出て行く人たち、

北朝鮮から国を出る人たちのことを脱北と呼んでいます。

彼らが脱北する理由とは何なのでしょうか?

いつ頃からこのようになったのでしょうか?

『ビヨンド・ユートピア』の感想とあらすじを紹介します。

そして、脱北者とは何か?

また、いつ頃から始まったのか?について一緒にみていきましょう。



脱北する理由、いつ頃からこうなったのでしょうか?

 

そもそも、子供から老人に至るまでなぜ人々は命がけとなる脱出を試みるのでしょうか?

かつては北朝鮮を脱出した方の多くは政治的理由で韓国に逃れていました。

彼らは脱北者とは呼ばれずに亡命者と呼ばれていました。

1955年後くらいからは冷戦となり北朝鮮の政治体制は安定し、

亡命者の数も激減します。

確かに以前は亡命者という言葉を見聞きしていましたが

最近ではあまり見かけることもなくなりました。

北朝鮮の政治体制が安定したと言われるものの

自然災害から国民たちを守ることができない政治。

極度の貧困さのゆえに北朝鮮の方々は脱北者となっている現状があると言わざるを得ません。

1993

北朝鮮で大水害が発生

以降毎年のように自然災害に見舞われ、

深刻な食糧難となります。

大飢饉とともに1995年頃から徐々に脱北者の数が増え始め

2002年は遂に年間1,000人を超えています。

2007年には1万人を超えました。

しかし、

2011年に北朝鮮最高指導者、金正日の死去後、

次男の金正恩が最高指導者になると

国境地帯の検閲が厳しくなり

脱北者の数が減少しました。

更に2020年1月に新型コロナ感染症流行に対する対策の一環で

中国側の国境を閉鎖したことにより脱北者数は

前年の4分の一以下と激減しています。

脱出者が激減したので良かったのでしょうか?

激減した理由は脱北への最初にルートである中国側の国境が閉鎖されたために

脱出できなくなってしまったのであって

北朝鮮の人々の暮らしは耐え難いものは続いていると思われます。

このような状況下にある北朝鮮から脱出したいけれれども

できない状況になっているので脱北者の数が極端に激減したと言えます。




ビヨンドユートピア感想

『ビヨンドユートピア』を観てきました。

観客の方は中高年から高齢の方までおられました。

土曜日でしたがお客さんの入りはそんなに多くはなかったように思いました。

中高年の男性が一人で来られていた方もおられました。

映像は手持ちのスマホで撮影したものだと言われていましたので

手振れも多いのではないかと思っていましたが

脱出するために何時間も山を登り下りしているシーンや

船で川を渡っているシーンもありましたが

映像の手振れもなくきれいな映像でした。

脱北する家族の顔もきれいに映っていましたし

子供たちの表情もきれいに映っていました。

わたしは初めて脱北する瞬間を映像で見たのですが

手に汗握るようなシーンもあまりなかったのですが

やはり川を渡って、

北朝鮮とかかわりのない国に入れた瞬間は

安堵感でいっぱいになりました。

80歳代という高齢者が若者たちと一緒に山を登っているところは

日頃から足腰を鍛えておられた方なんだなあと思いましたし同時に

この高齢母は若い頃からどれほど苦労をされた方だったんだろうと

思いながらみさせていただきました。

この映画を観る前と観た後の自分の思いの違いは

同じ人間なのにどこで生まれたか?

によってこんなにも自由を持つ権利と

思想の入れ込み方がちがうんだなあ。と考えさせられました。

脱北された80歳の高齢母がもし日本人の高齢者だったら

たぶん7、8時間にもおよぶ山々を超える逃亡時には

途中で足腰が動かなくなり一歩も前に進めずに脱落し

この脱北計画は失敗していたのではないか。。と思いました。

それほど通常の足では歩ききれないほどの距離を

この方々は歩いて脱北されていました。



『ビヨンド・ユートピア』あらすじ

 

2019年

主人公のひとりである脱支援団体のキム・ソンウン牧師が

2人の子と80代の老婆を含む5人のその家族を脱北させました。

この5人の家族を勇敢にも脱出に導いたキム牧師は韓国にあるカレブ宣教会に属している牧師です。

キム牧師は牧師でありながらも人権活動家としても活動されています。

脱北者たちの脱北を支援する「地下鉄道」の中心メンバーであり

2000年から現在に至るまで約1000人を超える脱北者の支援をし

成功させている実力者でもあります。

脱北者たちは険しい山岳地帯や川、

数カ国の国境を越えます。ひとことで野生動物たちがうごめく山岳地帯。

山を越えるだけでも並大抵のことではありません。

ましてや川ともなると水の流れに飲まれ下流まで流される危険もあります。

このような危険を冒してまで

北朝鮮を必死の思いで出て中国、

ベトナム、ラオス、タイを経由して

総移動距離1万2000㎞という壮絶な道のり。

脱出の道中、

この家族の脱北のために

50人以上のブローカーたちが協力して韓国をめざしました。

映画に登場するのは2件の脱北過程。

一件は成功し、もう一件は失敗しています。

決して簡単ではない脱北。

今作は携帯電話で撮影した緊迫感ある映像とともに、

事態の進行そのものが「脱北ミッション」の難しさを示していました。

かつての脱北者はバスや鉄道で中国内を移動できていたのである意味では身分を隠すことさえ

できれば自然との戦いなしに移動もできていましたが

現在は身分証明の提示がなくては公共の交通手段は利用できない状況になっているので

より困難な状況になっていると言えます。

中国内の移動時であっても脱北を誘導してくれるブローカーや

協力者の助けがなければ前には進めなくなっています。

公共交通機関を利用できないのでおのずと移動手段は北方の中朝国境から南部のベトナム国境まで

数千キロをブローカーや支援者の自家用車で移動するしかなく、

1人あたりの脱出費用は200万円ほどかかります。

これほど莫大な費用は個人ではですことが困難と思われますので

どこかの支援団体の支援がなければ実行に移せなくなっています。

監督マドレーヌ・キャビン。

脱出の全行程の映像は隠しカメラや

携帯電話のカメラで撮影した映画史上初の作品。

なお、一部のシーンでは映像では出せないものもありアニメーションが用いられています。

何百年も前に起こった出来事ではなくほんの数年前に隣国で行われたミッションです。

劇場公開日:2024年1月12日




脱北者とはどのような人たちなのでしょうか?

脱北者(だっぽくしゃ)、

あるいは脱北民(だっぽくみん、だつほくみん)と呼ばれる人たちは、

朝鮮民主主義人民共和国から国外脱出した北朝鮮国籍者の方々の呼び名です

ですので彼らの国籍は北朝鮮ということになります。

北朝鮮では脱北者は処罰・処刑対象です。

また、脱北した先である中国では不法滞在として扱われます。

ですので北朝鮮から脱北した方々は中国では潜伏生活をしなければならず、捕らえられたら

本国である北朝鮮に送還されて処罰・処刑の対象者となってしまいます。

彼らは北朝鮮と親密な国に滞在することはできないので

韓国や日本、欧州、アメリカなどに居住していきます。

2018年時点で韓国へ亡命して定着した約3万1500人は外国籍を除いて

韓国国民となっていますが

さまざまな事情により2023年時点での脱北者は1月~3月で34人と激減しています。

しかし、

脱北者は公けにできない事情があるため不明瞭なところもあるようです。

国籍を与えられずに地下に潜んで暮らさざる負えない脱北者の現状があります。

世界にはいくつもの国がありそれぞれが課題を持っていますが

脱日本者とか脱米国者とは脱ロシア者とかという呼び名はありません。

では、なぜ北朝鮮から脱出した人たちのことを特別に ”脱北者” と呼ぶのでしょうか?

また、彼らが脱北する理由とは何なのでしょうか?

いつ頃からこのような状況になったのでしょうか?

みていきましょう。



いかがだったでしょうか。

『ビヨンドユートピア』脱北者とはどういう人たちなのか、

脱北する理由、いつ頃からこのようになってしまったのかについて見てきました。

日本の隣の国であっても遠い国、北朝鮮。

そこには貧困さのゆえに祖国を捨てて脱出せざる負えない人たちが大勢いいます。




コメント

タイトルとURLをコピーしました